情報知識学会誌, Vol. 5, No. 2

情報知識学会誌, 1995, 5(2), 1-15

国文学における情報の考察とデータベースの構築
安永 尚志
国文学研究資料館研究情報部

 国文学の研究支援のためのコンピュータ活用について、国文学のデータベースの形成、管理、利用の観点からまとめた。先ず、国文学に関する学術情報の特徴をまとめ、モデル化を行った。すなわち、本の系譜構造を明確に定義すること、国文学の学術情報は階層性を持つことを示し、モデルを定義した。このモデルに基づき、多くの国文学のデータベースを構築し、国文学研究資料館における事例を中心にまとめた。 とくに、質的に異なる複数種類のデータベースを渡り歩いて利用することが肝要で、この渡り検索の事例として、原文献資料流通システムを取り上げ、システムの構築に触れ、検索結果例などを示した。さらに、複合データベースの事例として、校訂本文データベースを取り上げ、概念モデルと実装、実験結果などについて述べた。最後に課題を整理している。

情報知識学会誌, 1995, 5(2), 17-33

国文学における文献資料の画像データベースとその流通
安永 尚志
国文学研究資料館研究情報部

 本稿は、国文学の文献資料の蓄積保存をメディア変換によって行なうことについて考えている。ただし、マイクロフィルムではなく、原本の画像を電子情報化し、コンピュータに蓄積し、原本保存とその高次利用という新しい方策を実証することが目的である。高次利用のうち、とくにオンライン環境の下で所望の本を探し、請求し、かつ入手することを可能とするシステムが必要である。そこで、このようなシステムのモデルを考察し、プロトタイプシステムを開発し、実証実験を行なった。この結果、システムの実現性と有効性を確認することができた。 すなわち、国文学研究資料館における事例を中心に、文献資料に関わる画像データベースの蓄積、管理、利用の方法についてまとめる。また、効果的な流通システムについて述べる。まず、システム開発のねらいと特徴をまとめ、モデルを定義する。これに基づきシステムの構築条件を整理し、プロトタイプシステムとして5つの機能が必要なこと、並びにそれらの基本設計について述べる。具体的な画像と目録データベースの構成を行い、個々のシステム機能の特色と構築の実際をまとめる。さらに、データベースの渡り検索の実行例などから、文献資料の流通システムについて評価を加え、有用であることに言及する。最後に課題を整理する。

情報知識学会誌, 1995, 5(2), 49-55

オブジェクト指向設計によるアモルファス合金形成領域検出法
小島 正美†, 中名 生充††, 秋山 康子††, 伊藤 敏行††, 和田 繁男††, 森 倫子††, 余 京智††, 大野 かおる††, 川添 良幸††
†東北工業大学通信工学科, ††東北大学金属材料研究所

 本論文では、アモルファス合金形成領域の検出を行なうために次の二点について検討を行なった。 ̄嫗竜淮篷,砲茲詁鷂儀魯▲皀襯侫.更膓皀如璽燭ら構成元素の融点、原子半径比、混合エンタルピー、共晶点などをオブジェクト指向データとして保存して、アモルファス形成能を判定するメソッドにより形成領域を検出した。二次系アモルファス合金データを三元系アモルファス合金データへ継承して、形成領域を検出するメソッドをオブジェクト指向設計法により構築した。三次系アモルファス合金形成領域を検出するメソッドとしては、図的解析法を検討した。その結果、従来のリレーショナルデータベースでは処理できない問題に対してオブジェクト指向によるデータ分析の有効性を確認した。

情報知識学会誌, 1995, 5(2), 57-64

超伝導材料開発支援型データベースの開発
中田 悦夫, 浅田 雄司
金属材料技術研究所材料設計部

 酸化物高温超伝導材料のファクトデータベースを構築した。材料開発を支援する材料開発型データベースとして利用できるように試料番号をkey-IDとしてデータ項目、データ構造を決定した。利用者がデータの評価ができるようになるべく生データを収録できるデータ構造を持つものとした。そのため、特性によってはグラフのデータをそのままデジタルデータをその属性とともに収録した。結晶構造は研究者のニーズに合わせて検索できるように通俗的な名称を用いた分類方法を採用した。文献番号はその番号から直接出展が分かるように新しい番号を考案して採用した。システムはサーバ=クライアント方式を用い、オンラインサービスできるシステムとした。利用法の一例としてホール係数の温度依存性を調べた結果を示す。

情報知識学会誌, 1995, 5(2), 65-71

自然災害情報伝達支援システム
村上 弘幸
大妻女子大学社会情報学部

 現在のわが国における自然災害に対する災害情報対策が不十分であることから、地域災害情報対策支援システム(数箇または十数箇市町村単位に設ける)、広域災害情報対策支援システム(各都道府県に設ける)、国の災害情報対策支援システムからなる災害情報対策支援システムの提案を行った。地域災害情報対策支援システムおよび広域災害情報対策支援システムは、気象資料統合システム、津波予報システム、地震活動など総合監視システム、洪水など予警報システム、土砂災害発生監視システムとオンラインで繋がり、入力される災害に関する情報を分析・判断して予想される災害の予報・警報を行い、あるいは災害発生後、収集された災害情報を分析・判断して、小規模または大規模災害に対して、マニュアル化した対処事項に従って指示する。国の災害対策支援システムは広域災害に対して、政府の意思決定システムとしての機能を持つシステムである。

情報知識学会誌, 1995, 5(2), 73-74

電子投稿と構造化文書手法を使った情報知識学会誌の卓上電子出版
石塚 英弘
図書館情報大学図書館情報学部

 情報知識学会誌の5巻2号を、投稿者からの電子原稿とパーソナル・コンピュータ上のワードプロセッシング・ソフトウェア Microsoft Word のスタイル機能とテンプレート機能を用いて出版した。版下はWordのDTP機能を用いて作成した。また、構造化文書手法の一つであるスタイル機能を用いているため、版下作成に用いたテキストはSGML(Standard Generalized Markup Language)方式の文書データベースや、WWW(World Wide Web)のデータ入力書式HTMLにもプログラムで変換することができる。

最終更新日: 2011-02-18 (金) 11:20:02

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