#title(情報知識学会誌, Vol.6)

*情報知識学会誌, Vol. 6 [#bfad9bf2]

** &size(12){情報知識学会誌, 1996, 6(1), 1-10}; [#p2cd284c]
** わが国における電子出版 -学術出版を中心に- &br; '''Electronic Publishing in Japan --with Emphasis on Academic Publication--''' &br; 根岸 正光 [#t2170462]

 わが国における電子出版は、10年ほど前のニューメディア・ブーム以来の長い歴史をもっている。その際、主たる関心はCD-ROM出版にあり、EP- WINGや「電子ブック」等の規格がわが国の企業で開発された。しかし、こうした電子出版は、近年のマルチメディア・ブームを迎えるまで普及しなかった。本稿では、まずCD-ROM出版の歴史的経過をソフト/ハード規格や製品に即して整理する。次に、執筆から流通に至る電子出版の過程を、わが国の状況に基づいて、日本語処理の問題を含めて分析する。終わりに、ネットワーク出版や電子図書館に向けての最近の動向について、政府における国家情報基盤の推進政策とあわせて検討する。

** &size(12){情報知識学会誌, 1996, 6(1), 11-20}; [#ld87e77b]
** インターネット上での児童図書選択支援システム &br; 阪口 哲男, 藤田 岳久, 杉本 重雄, 田畑 孝一 &br; 図書館情報大学, 共立女子大学 [#mef0a71c]

 急速に普及しているインターネットの技術であるWorld Wide Web(WWW)に基づいて児童図書の選択を支援するシステムを構築した。子供を対象としたシステムは、画像や音声とポインティングデバイスによる対話によって興味を引き出すことが重要である。そのような対話を実現するために、本システムではJava Appletによって画像と音声の制御を行っている。本システムは絵本や物語図書を背景や登場人物、主題、印象などによって分類し、子供との対話に基づいて図書を紹介する。これらの分類データと書誌データ、および内容の紹介文をSGMLに従ってタグ付けし、データベースに格納している。本システムは児童の発達課題からみた児童図書の選択機能も備えている。これは親の立場で子供にいくつか特定の発達課題の育成に役立つと考えられる図書を選ぶためのものである。本システムは一般的なWWWブラウザを備えたパーソナルコンピュータから、LANやインターネットを通じて利用することが可能な構成となっている。

** &size(12){情報知識学会誌, 1996, 6(1), 11-20}; [#m61f0f16]
** 有機化学物質合成反応情報の自己組織型概念構造に基づく化学物質および反応の類似性 &br; '''Similarity of Compounds and Reactions Based on Self Organized Conceptual of Organic Synthesis Information''' &br; 安 江虹, 藤原 譲 [#b33837bf]

 有機化学物質合成反応情報のデータ・モデルを提案し、そのモデルに基づく情報ベースシステムを構築した。また、情報の自己組織化および開空間対応システム(open world relevant system)に欠かせない欠落情報と候補解の生成について述べた。本システムは、原情報として、典型的な反応事例とその関連情報を網羅的に持つ。そして、情報の概念構造と論理構造は、原情報の中に存在する意味関係に基づいて自己組織的に構築される。概念構造を用いて化学物質と化学反応の類似性が測定できることを利用して、類推、仮説生成をはじめとする情報の意味処理機能を本システムに実現した。


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