情報知識学会主催・第 10 回 情報知識学フォーラム
「情報の精製と合成」−若手会員が考える新しい情報知識学

[開催日時]
2005 年 10 月 29 日(土)13:00〜17:30
[ 会 場 ]
慶應義塾大学三田キャンパス(港区三田2-15-45)http://www.keio.ac.jp/access.html
西校舎516番教室(キャンパスマップの11番の建物)(地図はこちら)
開催案内 HTML, filePDF

情報知識学会主催
2005年度 第10回情報知識学フォーラム
「情報の精製と合成」−若手会員が考える新しい情報知識学

ご報告

実行委員長 長塚 隆

10月29日に慶應義塾大学三田キャンバスで開催された第10回情報知識学フォーラムは、 50 名を超える方が参加していただき、5名の講師の方からの講演と、最後に総合討論が行われました。 参加者の皆様より、多くのご質問があり、活発な質疑が交わされました。

今回は、会員外の参加者も多く見受けられました。  来年度に予定されている第11回情報知識学フォーラムの企画へのご提案・ご希望をお待ちしております。 事務局まで、ご連絡を頂きますようお願いいたします。

 ■当日会場の風景■

他、フォーラム風景写真も公開準備中です。 

2005年度 第10回情報知識学フォーラム

「情報の精製と合成」−若手会員が考える新しい情報知識学の開催にあたって

本日は、大変お忙しい中、ごさんかいただきありがとうございます。私、本フォーラムの実行委員長とエ担当しております、長塚 隆です。 よろしくお願いいたします。実行委員会を代表してご挨拶させていただきます。

本フォーラムは、情報知識学会として、9年間にわたり実施してきましたSGML/XML研修フォーラムを継承・発展させ、「情報の精製と合成」−若手会員が考える新しい情報知識学−として、開催するものです。  本フォーラムの内容は、サブタイトルにもありますように、本学会の若手研究者を中心とするフォーラム実行委員会で検討されたものであり、現代の社会における情報環境の目覚しい進展からの要請を踏まえた「情報知識学」の今後における発展方向やあり方を探ることを目指して企画されました。

デジタル化技術の急速な進歩により、「情報」量の爆発的な増大が起きています。実際、カリフォルニア大学バークレー校のピータ・リーマンらは、2002年に作成された世界のデジタル情報の総量を5EB(Exabyte;1018)であったと推定し、デジタル情報の総量は1999年からの3年間で倍増したとしていますし、グーグル(google)が収集したウェブページの総量も2004年の年初は33億ページだったものが、2005年の年初には80億ページと大きく増加しています。しかし、現状では、このような情報量の増大や情報の多様化に充分対応できるための理論や技術は、立ち遅れていると言わざるを得ないでしょう。

本フォーラムは、このような情報量の増大や情報の多様化に対応してゆくための理論や技術を探求してゆく上で、化学や工学の世界で使用されてきた用語である化合物や物質の「精製」や「合成」という視点で、現状を捉え直すことで、今後の展開への糸口としたいと構想されました。

化学の分野では永年にわたる研究の歴史の中で、様々な混合物や重合物などから単一の物質を抽出したり、精製したりするための理論と技術が発展してきました。また、様々な化合物を反応させ、新たな化学物質を合成するための理論と技術も積み重ねられてきました。

情報技術の分野は、歴史も浅いため、化学に比較して、このような理論と技術の積み重ねが少ないといわざるを得ないと考えております。現在状況の大きな特徴としては、扱わざるを得ない情報量と情報内容の急速な拡大にあることは言うまでもありません。このようなときに、化学分野で行われてきたことも頭に入れながら、「情報」や「知識」を扱うことが大切に思われます。そのため、「情報」の精製や複数の「情報」素材を合成し、新たな「情報」を創造するための理論と技術が求められているといえます。

そのような視点で、現在、活躍されている五名の講演者の方から、お話をしていただきますが、経験豊富な研究者と若手研究者の絶妙なバランスでの講演会となりましたので、ご期待いただければと考えております。

本フォーラムでは、最近、特に注目を集めている情報知識に関連した次のトピックについて具体的に報告がされます。

*金子講師から、ライフサイエンス辞書から生命科学オントロジーへ
*辻講師から、重要な専門用語となる新語の特定・予測
*岡講師から、合意形成のための情報知識共有システム
*江草講師から、機関内図書館における複数データベースの高度活用
*高久講師から、相互運用可能な用語体系の構築を目指して−用語辞書、分類表、Webディレクトリを対象として−

それぞれの講演で扱われている内容は、現在社会のなかでの「情報」の量的・質的な拡大に伴う、諸課題を解決して行くための理論的・技術的な取組みの枠組みや目標の提示を試みているといえます。

本フォーラムが、現代社会から「情報知識」に要請される課題にどのように取り組んでゆけばよいのかに関心を有する多くの方々と、情報知識学の新たな展開を探る機会になることを期待しております。

第10回情報知識学フォーラム実行委員会
委員長 長塚 隆


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