2004年11月20日(土曜日)、月例懇話会関西集会が開かれました。関西在住の情報知識学会の会員は約30名程度ですが、10名(東京からの参加者2名)も集まっていただき、単に懇談ではなく、それぞれが研究していることについて報告するなど、内容の濃い集まりになりました。
出席者は以下のとおりです。折角だが都合により参加できないというご返事をいただいた方が11人おられました。
昨年につづいて、第2回目となる月例懇話会関西集会を開催した。今年は、ただの懇親会ではもったいないという昨年の反省から、土曜日の午後を使って、研究報告や関心のある問題について、それぞれが発表し、なごやかなうちにも、真剣な質 疑応答や意見交換が行われた。
周防・古隅氏は、研究されている「『統計資料解題』の電子化と閲覧システムの構築」というテーマをとりあげられ、XMLを利用したRDBの構築など、奥深い内容の研究成果が報告された。佐村氏もXMLを応用したRDBを課題とした研究で、正規木文法を用いたXML文書のRDB格納などの問題について、斬新な指摘がなされた。図らず も、古隅氏の研究との接点もあり、議論がはずんだ。
田中氏は、関西大学発のベンチャー「関西総合情報研究所」 (http://www.kansai-labo.co.jp/)について説明があり、院生がこの会社の社員として研究し給与ももらえる斬新な仕組みに、多くの関心が集まり、質問が相次いだ。
山本氏は、「全地連と地質データの原本保証」のテーマで、全国地質調査業協会連合会によって構築された、ボーリング柱状図などの電子データが、著作者人格権の侵害など、不正に用いられることがないように、TTPとしての電子認証局、原本保証サービス(電子公証)と連携したシステムの概要について説明がなされた。
吉野氏は、北里大学薬学部を卒業後就職された吉富製薬が、すぐにみどり十字と合併して新生吉富製薬となり、一方、三菱化学と東京田辺製薬が合併して三菱東京製薬となっていたが、この2社が2001年10月に合併して、三菱ウェルファーマが誕生した。合併のたびに、それぞれが持っている情報の統一や整合化などで実践的 な苦労をされてきた話はたいへん興味深いものだった。
最後に、今回の集まりの段取りなどでご尽力いただいた田窪氏は、メタデータという用語が、たいへん曖昧に広く流用されていることへの疑問と、DCMESにおける項 目の順序の問題をとりあげて、意見を述べられた。
懇親会では、さらにいろいろな情報交換がなされ、たいへん有意義な半日になったと感じられた。その後、二次会となり、大いに盛り上がった。
これを機会に、情報知識学会のウエブサイトにある関西部会をより内容を豊富にし、交流を高めるとともに、関西在住の会員を中心にMLをつくって、より緊密な関 係をつくろうということになった。
文責 平田周