* 第3回 知識・芸術・文化情報学研究会 開催案内 [#m8abb220]

下記の通り,第3回 知識・芸術・文化情報学研究会を実施しますので,
奮ってご参加ください.

- 第3回「知識・芸術・文化情報学研究会」 開催案内
- 日時:2014年2月8日(土) 10:00受付開始
- 会場:立命館大阪梅田キャンパス(大阪梅田駅前)多目的室
-- 〒530-0018 大阪市北区小松原町2-4 大阪富国生命ビル5階
-- アクセス: http://www.ritsumei.jp/accessmap/accessmap_office_osaka_j.html
- 主催:知識・芸術・文化情報学研究会
- 共催:情報知識学会関西部会、アート・ドキュメンテーション学会関西地区部会
- 協力:立命館大学「日本文化デジタル・ヒューマニティーズ」拠点

プログラム
 10:00 受付開始
 10:30 開会挨拶
 10:35 特別セッション・講演「芸能データ収集の難しさ」
       大友浩(落語CDワザオギプロデューサー・芸能研究家)
 11:20 特別セッション・発表1「「伝統芸能の計量分析」の黎明−歌舞伎・落語・相撲−」
       坂部裕美子((財)統計情報研究開発センター研究員、立命館大学大学院文学研究科博士課程後期課程)
 11:40 特別セッション・発表2「現代から過去の日本における芸術文化の変容の考察-数理アプローチとデータベースの活用-」
       川畑泰子(九州大学大学院芸術工学府芸術工学専攻 CCDコース博士2年)
       川畑泰子(九州大学大学院芸術工学府芸術工学専攻 CCDコース博士2年)、
       源田悦夫(九州大学)、石井晃(鳥取大学)
 12:00 特別セッション・ディスカッション
 12:20 休憩
 13:20 発表3「閲覧時間を考慮したWeb情報検索支援システム」
       遠藤淳一(和歌山大学大学院 システム工学研究科M2)
 13:50 発表4「個人利用向け情報管理システムの構築」
       野田長寛(和歌山大学大学院 システム工学研究科M1)
 14:20 発表5「デジタルタブレット端末を利用した医療文書の管理」
       野本眞記子
 14:50 休憩
 15:00 発表6「語彙索引作成ツールの開発による役者評判記索引の効率化」
       山路正憲(立命館大学 アート・リサーチセンター 衣笠総合研究機構研究員)
 15:30 発表7「メタデータを用いた異言語浮世絵データベース間における同一作品の同定手法」
       加藤拓磨*、久山岳夫**、Biligsaikhan Batjargal***、木村文則***、前田亮*
       *=立命館大学 情報理工学部、**=立命館大学 情報理工学研究科、***=立命館大学衣笠総合研究機構
 16:00 休憩
 16:10 発表8「型紙に表現された文様の分類方法について」
       加茂瑞穂(立命館大学衣笠総合研究機構ポストドクトラルフェロー)
 16:40 発表9「近代物産誌と民俗資料を用いた北飛騨民俗ナレッジベースの構築と活用」
       松森智彦(同志社大学文化情報学研究科・日本学術振興会特別研究員(PD))
 17:10 閉会挨拶
 17:40 懇親会

参加申し込み方法
- 2014年1月17日(金)までに、氏名・所属を明記の上、kacimeeting+2014(at)gmail.com 宛に電子メールで申し込むこと(※ (at) を @ に変えてください)。
- 研究会参加費(500円)を当日徴収します。
- ※研究発表会後に懇親会を予定しています。大学や分野の枠を超えた交流の場にしたいと思いますので、あわせてご参加ください。(懇親会費予定:一般4000円、学生2000円)

発表要旨
- 特別セッション・講演 「芸能データ収集の難しさ」
-- 大友浩(落語CDワザオギプロデューサー・芸能研究家)
> 伝統芸能興行関連のデータを集め、保存することがいかに困難か、というエピソードをお話しする。例えば落語では、それまでの落語の上演記録は、寄席定席興行など一部を除き、きちんと残ってはいない。放送局の音源なども同様である。記録の収集・保存がされてこなかった理由には、芸能に対しての「使い捨てのどうでもいいもの」という認識や、芸能の歴史的な背景から、当事者自身が過去の興行記録を隠そうとするという問題などが考えられる。その辺りの実状も踏まえながら、「伝統芸能興行記録のアーカイブ化」について述べる。

- 特別セッション・発表1 「「伝統芸能の計量分析」の黎明−歌舞伎・落語・相撲−」
-- 坂部裕美子((財)統計情報研究開発センター研究員、立命館大学大学院文学研究科博士課程後期課程)
> 2000年代に入り、伝統芸能の分野でも興行記録のデータベース作成・公開が進むようになった。このデータを使用すれば、演劇史・芸能史分野の研究においてこれまで開拓されてこなかった、興行データの計量分析結果を使用した考察が可能になる。本報告では、貴重な保存データをもとに制作された、歌舞伎の興行データや落語の寄席定席興行データを使用した分析事例を紹介するとともに、構造的にこれらの伝統芸能と類似する部分を有するのに加え、比較的古い時代から現在までの継続的な興行データが残されている、相撲番付の分析の現在について紹介する。

- 特別セッション・発表2 「現代から過去の日本における芸術文化の変容の考察-数理アプローチとデータベースの活用-」
-- 川畑泰子(九州大学大学院芸術工学府芸術工学専攻 CCDコース博士2年)
-- 川畑泰子(九州大学大学院芸術工学府芸術工学専攻 CCDコース博士2年)、源田悦夫(九州大学)、石井晃(鳥取大学)
> 社会の中でエンターテイメントの数理的アプローチとして人間の相互作用ダイナミクスの確率過程に基づいたヒット現象の数理モデルが昨今提示されている。この数理モデルは正確に映画市場,音楽コンサートの話題の時間的分布を予測し、その他のコンテンツのデータにも同様に適用可能である。この方法を使用して、エンターテインメント関連の項目の計算された毎日の興味関心指数はTwitterやブログでの投稿の観察毎日数と比較することができる。そのためヒット現象の数理モデルは、人間社会における集団運動を調査するための強力な理論的ツールとしての可能性を持つ。更なる数理モデルの可能性を追求する中で,200年前の江戸時代に適応することが可能であるか,挑戦を行っている。現在国内外に存在する浮世絵のデータベース,川柳,俳諧など古文献の解読を行い,ビッグデータの一つとして分析をしている。その試みの過程の中で時代のスケールを超えた文化のうねりに関しての新たな知見の発見へつなげることを期待している。

- 発表3 「閲覧時間を考慮したWeb情報検索支援システム」
-- 遠藤淳一(和歌山大学大学院 システム工学研究科M2)
> インターネット上には大量の情報が存在している.その中から欲しい情報を得るためには検索エンジンがよく用いられており,評価指標やアルゴリズムについての研究が盛んである.発表者の研究グループでは,検索行動中の閲覧時間を利用してWebページおよび検索語の推薦を行うシステムを構築した.今回,構築したシステムの概要とその評価について報告する.

- 発表4 「個人利用向け情報管理システムの構築」
-- 野田長寛(和歌山大学大学院 システム工学研究科M1)
> 文書ファイルを管理し検索することは,企業・組織だけでなく個人にも求められている.その方法としてオンラインストレージが普及しているが,外部サーバへのアップロードを必要とし,課題も多い.当研究室では通信を必要としないスタンドアロン型の全文検索システムを構築してきた.今回,その検索機能を向上させるとともに,情報の管理方法についても検討を進め,個人向けの情報管理システムを試作したので報告する.

- 発表5 「デジタルタブレット端末を利用した医療文書の管理」
-- 野本眞記子
> サーバーと情報交換をするデジタルタブレット端末と自動PDF変換機能を利用して、患者の医療カルテをもとに費用精算、および国保料金の精算までを可能にするシステムの構築。現在は開発過程にある。タブレット端末を利用することで、紙での処理を減らし、医師、患者にもわかりやすい文書管理が可能。グラフィックと合わせて、診断の過程も説明しやすくできる。

- 発表6 「語彙索引作成ツールの開発による役者評判記索引の効率化」
-- 山路正憲(立命館大学 アート・リサーチセンター 衣笠総合研究機構研究員)
> 立命館大学アート・リサーチセンターでのデジタルアーカイブ事業において、デジタル化した資料に対するメタデータ、周辺情報の付加を高速化する手法の確立が求められる。ここでは、発表者が継続的に開発に携わる「語彙索引作成ツール」において、役者評判記の索引製作に特化する中で明らかになった課題について発表を行う。

- 発表7 「メタデータを用いた異言語浮世絵データベース間における同一作品の同定手法」
-- 加藤拓磨*、久山岳夫**、Biligsaikhan Batjargal***、木村文則***、前田亮*
-- *=立命館大学 情報理工学部、**=立命館大学 情報理工学研究科、***=立命館大学衣笠総合研究機構
> 本研究の目標は,異なる形式や言語で記述されている複数の浮世絵の画像データベースに対して同一レコードの同定を可能にする手法の提案を行うことである.同一作品の同定を行うために,浮世絵のメタデータを提供している複数の異種データベースのレコードに対して,主にレコードのタイトルを用いて他のレコードとの類似度を算出する.これにより,複数のデータベース間に散在する,特定の浮世絵の類似作品を見つけること,また,どの組織がその浮世絵,あるいはその複製を持っているかを知ることが可能になる.

- 発表8 「型紙に表現された文様の分類方法について」
-- 加茂瑞穂(立命館大学衣笠総合研究機構ポストドクトラルフェロー)
> 発表者は、キモノに表現された文様の研究を進める過程で、立命館大学アート・リサーチセンターにおける型紙のデジタルアーカイブ化に関わっている。型紙に彫刻されたモチーフは、服飾やデザイン研究にとって有効な情報となる。しかし、文様をいかに分類・整理をし、分析を進めるかが発表者にとって大きな課題となっていた。本発表では、型紙に表現された多様な文様を現在どのように整理し、分析を進めているのか報告する。

- 発表9 「近代物産誌と民俗資料を用いた北飛騨民俗ナレッジベースの構築と活用」
-- 松森智彦(同志社大学文化情報学研究科・日本学術振興会特別研究員(PD))
> 本研究では明治初期の物産誌をもとにした『斐太後風土記』データベースと、資料館の民具資料をもとにした北飛騨民具データベースを併せて、北飛騨民俗ナレッジベースを構築した。文化庁の用途分類を用いて民具資料と物産誌データベースを関連付け、GISを用いて位置情報の重ね合わせを行っている。資料や地域について先行研究や自治体史などの記述を取り込み、ナレッジベースを構築している。これを活用した研究事例を示す。


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