【この記事はプレビュー版です。正式決定後、URLを変更して公開します。】 * 第4回 知識・芸術・文化情報学研究会 開催案内 [#l7af2a4e] 下記の通り、第4回 知識・芸術・文化情報学研究会を実施しますので、奮ってご参加ください。 - 第4回「知識・芸術・文化情報学研究会」 開催案内 - 日時:2015年2月7日(土) 10:00受付開始 - 会場:立命館大阪梅田キャンパス(大阪梅田駅前) -- 〒530-0018 大阪市北区小松原町2-4 大阪富国生命ビル5階 -- アクセス: http://www.ritsumei.jp/accessmap/accessmap_office_osaka_j.html - 主催:知識・芸術・文化情報学研究会 - 共催:情報知識学会関西部会、アート・ドキュメンテーション学会関西地区部会、立命館大学アート・リサーチセンター 日本文化資源デジタル・アーカイブ研究拠点 プログラム 10:00 受付開始 10:30 開会挨拶 10:35 特別セッション・発表1「近世近代期京都を対象とした諸職名匠・ 諸師諸芸のデジタルアトラス構築」 塚本章宏(徳島大学)、矢野桂司(立命館大学)、赤間亮(立命館大学)、 金子貴昭(立命館大学)、山路正憲(立命館大学) 11:05 特別セッション・発表2「浮世絵技法の復元的研究のための光計測・ 画像解析基盤技術の創出」 谷口一徹(立命館大学)、南川丈夫(京都府立医科大学)、 竹中健司(竹中木版「竹笹堂」)、永井大規(竹中木版「竹笹堂」)、 金子貴昭(立命館大学) 11:35 特別セッション・発表3「人文系データベースの共同研究を管理する プラットフォーム構築について」 山路正憲(立命館大学 アート・リサーチセンター 衣笠総合研究機構研究員) 12:00 休憩 12:45 発表4「災害・防災記事情報提供システムの構築」 硲石浩文(和歌山大学大学院 システム工学研究科) 13:10 発表5「個人利用向け情報管理システムの構築」 野田長寛(和歌山大学大学院 システム工学研究科M2) 13:35 発表6「訓点資料を対象としたデジタルアーカイブシステムの構築」 田中勝(和歌山大学大学院システム工学研究科) 14:00 休憩 14:10 発表7「近代デジタルライブラリーのためのソーシャルリーディング・ プラットフォームの構築」 橋本雄太(京都大学文学研究科 博士後期課程) 14:35 発表8「『琵琶新聞』のデータベース化と地域比較―両大戦期の 東アジアにおける近代琵琶楽の展開と動向―」 大谷優介、村井源、劉岸偉、Hugh de Ferranti(東京工業大学) 15:00 休憩 15:10 発表9「役者評判記からの人物に関する表現の自動抽出手法」 永井規善、木村文則、前田亮、赤間亮(立命館大学情報理工学研究科) 15:35 発表10「板本における版種弁別のための画像測定について ―匡郭高の比較を中心に―」 宮川真弥(大阪大学(院)・日本学術振興会特別研究員) 16:00 発表11「品詞の出現頻度からみる能作者の特徴―世阿弥とその他の 作者の詞章比較―」 岩田好美(同志社大学文化情報学研究科) 16:25 休憩 16:35 発表12「ゲーム関連の書籍・雑誌の売上動向から出版不況の一因を考察する」 下間浩平(近畿大学 短期大学部 商経科1年) 17:00 発表13「ITを活用した図書館資料と学修プロセスの連携についての実証実験 ―東京大学新図書館計画におけるハイブリッド読書環境デザインの試み」 谷島貫太(東京大学附属図書館 特任研究員/新図書館計画推進室)、 阿部卓也(東京大学大学院情報学環 特任講師/新図書館計画推進室) 17:25 閉会挨拶 18:00 懇親会 ※発表時間(質疑応答を含む)は、発表1および発表2は30分、発表3以降は25分です。 参加申し込み方法 - 2015年1月16日(金)までに、氏名・所属を明記の上、kacimeeting+2015(at)gmail.com 宛に電子メールで申し込むこと(※ (at) を @ に変えてください)。 - 研究会参加費(500円)を当日徴収します。 - ※研究発表会後に懇親会を予定しています。大学や分野の枠を超えた交流の場にしたいと思いますので、あわせてご参加ください。(懇親会費予定:一般4000円、学生2000円) 発表要旨 - 特別セッション・発表1「近世近代期京都を対象とした諸職名匠・諸師諸芸のデジタルアトラス構築」 -- 塚本章宏(徳島大学)、矢野桂司(立命館大学)、赤間亮(立命館大学)、金子貴昭(立命館大学)、山路正憲(立命館大学) > 本報告は、近世近代期の京都におけるあらゆる職種の地理的分布と変遷を、オンライン上で閲覧することが可能なデジタルアトラスの構築についての取り組みを紹介するものである。また、オンラインマップ上の地点データから、画像データベース化された地誌・案内記類の画像を閲覧することも可能である。このデジタルアトラスは、近世近代期における京都の産業や文化の分析を進める際の基礎データにも成り得るものと考えている。 - 特別セッション・発表2「浮世絵技法の復元的研究のための光計測・画像解析基盤技術の創出」 -- 谷口一徹(立命館大学)、南川丈夫(京都府立医科大学)、竹中健司(竹中木版「竹笹堂」)、永井大規(竹中木版「竹笹堂」)、金子貴昭(立命館大学) > 浮世絵は、江戸時代に発展した多色摺木版画であり、現在では日本を代表する伝統美術である。本研究プロジェクトでは、浮世絵製作に用いられた版木や実際の浮世絵(多色摺木版画)を光計測や画像解析技術を駆使して科学的に分析することで、当時の浮世絵の製作手法や材料の再現による伝統技術の復元するための基盤技術の創出を目指す。本報告では、いくつかの分析結果を示し、今後の展望を述べる。 - 特別セッション・発表3「人文系データベースの共同研究を管理するプラットフォーム構築について」 -- 山路正憲(立命館大学 アート・リサーチセンター 衣笠総合研究機構研究員) > 立命館大学アート・リサーチセンターでは多数の画像データベースの構築、管理、公開を行っているが、日々収集される資料の増加、「共同利用・共同研究拠点」認定による共同研究プロジェクトの受け入れにより管理コストが膨大なものとなりつつある。ここではLDAPサーバを軸とした各種システムにより、データベース・画像資料・プロジェクト毎のデータ共有を簡易に管理するプラットフォームの構築事例について紹介したい。 - 発表4「災害・防災記事情報提供システムの構築」 -- 硲石浩文(和歌山大学大学院 システム工学研究科) > Web上には防災・減災に関するブログ記事が多数存在する.しかしそれら記事の内容はタイトルからでは読み取ることが困難な場合があり,記事内容の判別が課題となっている.そこで各記事に台風,復興といった分類を付与し,防災・減災の記事を提供するシステムの構築に取り組んでいる.今回,利用者向けのインターフェースと合わせて,記事の取得・キーワード抽出・分類を自動で行う機能を実装したので報告する. - 発表5「個人利用向け情報管理システムの構築」 -- 野田長寛(和歌山大学大学院 システム工学研究科M2) > 情報化・ネットワーク化の発達に伴い,個人が作成・検索するデータは多種多様になり,個人データを管理できる情報管理システムが求められている.しかし,既存の情報管理システムでは,単純な部分一致検索しか行うことができない.今回,全文検索エンジンGroongaを採用するとともに,登録時および検索時に処理を加えることで,より柔軟な検索を行うことが可能な個人向けの情報管理システムを試作したので報告する. - 発表6「訓点資料を対象としたデジタルアーカイブシステムの構築」 -- 田中勝(和歌山大学大学院システム工学研究科) > 訓点資料の研究分野において,翻刻支援や全文検索など情報システムのニーズが高まっている.本研究では,訓点資料画像に見られる漢字・送り仮名・ヲコト点の位置情報を容易に入力できる機能と,訓読文の自動生成といった文書情報の利用を支援する機能について開発を行っている.今回,文書のデジタル化を支援するために構築したシステムの概要について報告する. - 発表7「近代デジタルライブラリーのためのソーシャルリーディング・プラットフォームの構築」 -- 橋本雄太(京都大学文学研究科 博士後期課程) > 「近代デジタルライブラリー」(近デジ)は、明治〜昭和期の出版資料およそ36万点を公開する国内最大規模のデジタルコレクションである。本研究では、近デジ上の資料について「ソーシャルリーディング」と呼ばれる共同読書行為を支援するモバイルベースのプラットフォームを構築する。これによって、近デジ資料のアクセス性向上を図るとともに、利用者の資料に関する知見や解釈を蓄積・共有可能にすることを目指す。 - 発表8「『琵琶新聞』のデータベース化と地域比較―両大戦期の東アジアにおける近代琵琶楽の展開と動向―」 -- 大谷優介、村井源、劉岸偉、Hugh de Ferranti(東京工業大学) > 近代琵琶楽の東アジア地域での受容と展開を明らかにするため,近代琵琶楽の中心的歴史的資料である雑誌『琵琶新聞』の大正・昭和期の記事を調査し,当時の東アジア地域について言及した記事を抽出し,記事種別と地理情報をデータベース化した.また,人文学的手法とGISを用いた計量的手法を併用し,時代・地域ごとの比較を行なった.分析の結果,各地域での琵琶楽の活動が両大戦期を通じて大きく変動している様子が明らかになった. - 発表9「役者評判記からの人物に関する表現の自動抽出手法」 -- 永井規善、木村文則、前田亮、赤間亮(立命館大学情報理工学研究科) > 本研究では役者に関する評判について書かれた役者評判記のテキストから、人名に関する表現を自動的に抽出する手法を提案する。役者評判記は江戸時代に定期的に刊行された、歌舞伎史における重要な資料である。本手法では注釈付けや分析の補助のため、自然言語処理における固有表現抽出の手法を応用し、人物に関する表現を網羅的に抽出する。資料本文のテキストデータと既存の注釈データを用いた実験を行い、有用性を検証した。 - 発表10「板本における版種弁別のための画像測定について―匡郭高の比較を中心に―」 -- 宮川真弥(大阪大学(院)・日本学術振興会特別研究員) > 日本文学分野において、伝本の系統分類と版種弁別は重要な課題とされている。本発表では、従来、熟達した研究者の手作業に委ねられてきた板本の版種の同定を、主として匡郭(板本の印刷面にある外枠)の高さの比較によっておこなう手法を提示する。その上で、OpenCVを利用した電子画像の解析・測定により、匡郭高を割り出す自動処理のためのプログラムを提示し、現在公開されている書籍の画像から版種を弁別する可能性について述べる。 - 発表11「品詞の出現頻度からみる能作者の特徴―世阿弥とその他の作者の詞章比較―」 -- 岩田好美(同志社大学文化情報学研究科) > 能作者世阿弥と金春禅竹の作品を比較し作者の特徴を見つける事を目的とする。現在構築中の謡曲DBから形態素に分けたデータを取り出し、語の出現頻度から分析を行っ た。結果、世阿弥作品に小段の「問答」で感動詞「如何に」をよく使用される事が分かっ た。また謡曲<千手>に於いて世阿弥作<千寿>と禅竹作<千手>が存在するが、研究結果から 世阿弥作<千寿>を元に禅竹が作成した事を示す一つの手がかりになったと結論づけた。 - 発表12「ゲーム関連の書籍・雑誌の売上動向から出版不況の一因を考察する」 -- 下間浩平(近畿大学 短期大学部 商経科1年) > 97年をピークとし、書籍・雑誌の売り上げは減少し続けている。出版不況の原因を探る様々な言説が過去になされてきた。しかし、書籍・雑誌と一口に言っても非常にさまざまな分野に分かれている。ある特定の分野に絞っての売上動向の考察はほとんど行われていない。本発表では、特にここ10年余りでの売上減少が甚だしい、ゲーム関連の書籍・雑誌というジャンルを例にとって、出版不況の一因を分析する。 - 発表13「ITを活用した図書館資料と学修プロセスの連携についての実証実験―東京大学新図書館計画におけるハイブリッド読書環境デザインの試み」 -- 谷島貫太(東京大学附属図書館 特任研究員/新図書館計画推進室)、阿部卓也(東京大学大学院情報学環 特任講師/新図書館計画推進室) > 東京大学新図書館計画では、紙の蔵書とITを融合させ理想の読書環境を創出を目指す「ハイブリッド図書館」の実証実験を推進している。その中で我々の研究チームは、仏ポンピドゥーセンターIRIと共同で、テクストアノテーションツール、動画アノテーションツール、知識マッピングツールを組み合わせて、図書館資料と講義とを連携させるための実証実験を進めている。この実証実験のこれまでの成果と今後の展望について報告する。