下記の通り、第6回 知識・芸術・文化情報学研究会を実施しますので、奮ってご参加ください。
12:30 受付開始 13:00 開会挨拶 13:05 発表1「文化財の新たな継承―テロリズムの無効化」 平 諭一郎(東京藝術大学 Arts & Science LAB.) 13:30 発表2「3Dスキャニング技術を用いたインタラクティブアートの 時空間アーカイブ」 赤羽 亨(情報科学芸術大学院大学) 13:55 休憩 14:15 発表3「日本近代文学書の〈装い〉アーカイブ―木版口絵に 着目した研究活用の可能性―」 常木 佳奈(立命館大学大学院文学研究科) 14:40 発表4「系図を対象としたデータベースシステムの構築」 永井 謙也(和歌山大学大学院システム工学研究科) 15:05 休憩 15:25 発表5「記事提供のための災害に関するブログ記事の分析」 藤原 史一(和歌山大学大学院システム工学研究科) 15:50 発表6「ゲームパッケージのメタデータ・コアセットに関する 分析と提案:ダブリンコアへの適用を主たる課題として」 福田 一史(立命館大学 衣笠総合研究機構) 16:15 発表7「電子出版研究における統計データの解釈の誤りについて」 下間 浩平 16:40 閉会挨拶 17:15 懇親会
日本の文化財は古くより「うつす」(模写、模刻)という行為によって伝承されてきた。それは劣化を免れない文化財に成り代わってその信仰や芸術性を伝える独自の文化である。そのような伝統的な模写に現代のデジタル印刷技術を融合させることで、すでに消失してしまった文化財の復元が可能となり、文化財保存としての模写が文化的ジェノサイドへの抗力として機能することが証明され、G7伊勢志摩サミットにて世界へと発信された。
本研究は、インタラクティブアート作品を題材に、作品と鑑賞者の間に生じる様々なインタラクションを、3Dスキャニング技術を用いて記録する手法を確立し、それを以って、時間軸を持った空間情報アーカイブ=「時空間アーカイブ」を開発することを目的とする。本発表では、現在開発を進めている3Dスキャニング技術を用いた撮影装置の開発状況について報告する。(本研究は科研費(15K12841)の助成を受けている)
本発表では、日本近代文学書の木版口絵に着目して、情報資源の研究活用の可能性を検討するとともに、従来の書籍アーカイブとは異なる着眼点からのデジタル化手法を提案する。資料の画像およびメタデータをデジタル環境下で整理することで、平面的に捉えられがちな事柄を相互に関連付けて分析でき、文学作品をより立体的に捉えることが可能となる。今回は、作者、出版社、口絵画家の関係性などから、明治期の文学書出版を考えたい。
系図には人物の詳細や人間関係などが記載されており、人文学の研究において有益な資料である。従来の系図を対象としたシステムにおけるデータの入力は支援があるものの手動で行っていた。本研究では、位置情報付きテキストとして表現されている系図データに対し、人物名と付随情報の識別、人物同士ならびに人物と付随情報の関連付けの自動化を試み、検索や閲覧が可能なデータベースシステムの開発を行ってきたので報告する。
災害の情報をインターネット上のブログ記事より取得しようしても,記事が有益なものかどうかの判断は容易ではない.そこで,記事の分類や,不適切な記事の除去を行えば,効率よく情報の獲得や理解ができると考えられる.今回は平成28年熊本地震の前後のYahoo!ブログ災害カテゴリの記事を対象として,潜在的ディリクレ配分法(LDA)に基づくトピック分析を実施し,トピックおよび単語を抽出して記事ごとのスコアリングを試みたので報告する.
ゲーム研究の世界的活況を受け、DB研究が進展している。そこではFRBRに代表される既存の文献管理のデータモデルは限定的適用しかなしえないとされ、ゲームのためのデータモデルの必要性が議論されている。本研究では、そのようなデータモデルを構築するうえで、基礎となるクラスのゲームパッケージのメタデータ・コアセットについて、既存のウェブDBの項目とダブリンコアへの適用という観点から分析・提案を行う。
近年、電子書籍の市場規模は年々増大しているとされる。その根拠となっているのは主にインプレス総合研究所の「電子書籍ビジネス調査報告書」である。この数字と、出版科学研究所の報告している紙の出版市場の販売額とを足し合わせれば、書籍出版市場は回復基調にある、という論が展開されている。だが、それぞれの金額が算出される根拠を精査すると、両統計の金額を単に足し算するのは不可能であることが分かったため報告する。