下記の通り、第8回 知識・芸術・文化情報学研究会を実施しますので、奮ってご参加ください。
12:00 受付開始 12:30 開会挨拶 12:35 発表1「情報リテラシーを対象とした理解度テストの生成と分析」 松本 陽平(和歌山大学大学院システム工学研究科) 13:00 発表2「C言語学習支援のためのeラーニングシステム」 村端 宏介(和歌山大学大学院システム工学研究科) 13:25 休憩 13:40 発表3「深層学習を用いたボロブドゥール寺院遺跡レリーフの 古写真からの三次元デジタル復元」 Jiao Pan(立命館大学大学院情報理工研究科)、 Liang Li、Hiroshi Yamaguchi、Kyoko Hasegawa、 Fadjar I. Thufail、Bramantara、Satoshi Tanaka 14:05 発表4「浮世絵ディジタルアーカイブのための作品の関連性に 基づいた推薦システム」 王 嘉韻(立命館大学大学院情報理工学研究科)、 Batjargal Biligsaikhan、前田 亮、川越 恭二 14:30 発表5「近代期京都における都市開発に関する研究」 山本 峻平(立命館大学大学院文学研究科) 14:55 休憩 15:10 発表6「主題アクセスに向けたゲーム情報要求に関する研究 ―質問応答サイトの計量テキスト分析―」 毛利 仁美(立命館大学大学院文学研究科) 15:35 発表7「日本語著者識別における文書の長さについて」 孫 昊(同志社大学) 16:00 休憩 16:15 発表8(招待発表)「オンライン市民参加による大規模史料翻刻」 橋本 雄太(国立歴史民俗博物館) 16:45 発表9(招待発表)「くずし字OCRの現状と展望」 大澤 留次郎(凸版印刷株式会社) 17:15 ディスカッション 17:35 閉会挨拶 18:00 懇親会
大学の情報処理教育,その中でも情報リテラシーに関して,学習事項を学習者が自己点検できる環境を提供するため,授業内容の理解度テスト作成を試みた.まず,教科書の索引語とDBpediaを利用して問題文を自動生成できるようにし,それから,問題文の生成や誤選択肢の選択について改善を図った.受講生に解答してもらい,項目反応理論に基づく各問題のパラメータ推定および等化による能力値の年度間比較を実施した.
大学の情報処理教育を通じてC言語を学習する初学者に対し支援を行うためのeラーニングシステムを構築した.独自のWebアプリケーションにより穴埋め問題と並び替え問題を提供し,並べ替え問題においては間違ったプログラムではどのような出力になるかを確認できるようにした.授業で使用してもらい、その分析結果から、プログラミング学習において陥りやすい事項が明らかになった.
本研究は、インドネシアの世界遺産「ボロブドゥール寺院遺跡」のデジタルアーカイブに関するものである。同寺院には、仏教説話を記した多数の壁面レリーフがある。しかし、寺院第一階層の「カーマウィバンガ・レリーフ」のほとんどは、オランダ統治時代の補強工事の際に埋められ、現在は見ることができない。しかし、レリーフを記録した単眼の古写真は残されている。本研究では、埋められずに残された一部のレリーフを学習データとして、深層学習を用いて古写真のカーマウィバンガ・レリーフを三次元デジタル復元する試みを紹介する。
浮世絵は日本の代表的な伝統芸術の一つであり、多くのデジタルアーカイブは浮世絵資料を保存・公開している。しかし、浮世絵デジタルアーカイブの既存の検索方法で画像を見つけるには専門知識が必要なため、一般ユーザにとっては使いにくい。本研究では浮世絵デジタルアーカイブに適した推薦アルゴリズムの開発と推薦システムの実装を行い、浮世絵に詳しくないユーザでも嗜好に合った浮世絵を発見できるシステムの実現を目指す。
近代期の京都は、旧来の都市域からの拡大の時代であった。この拡大の過程において、インフラ整備、郊外地域の都市化が進み、人口の増加、乱開発といった問題を抱えていた。本研究は、都市開発の一端であり、郊外拡大をかたちづくった都市計画事業である区画整理事業に焦点を当てながら、都市開発の推移と事業地における土地利用の変化を通して、この時期の都市開発の実態を明らかにしていく。
ゲーム資料目録の記述枠組みについて研究が進む中、資料の内容を表す主題については議論が不足している。本研究の目的は、ゲーム資料に必要な主題の記述法を検討するために、ゲーム利用者の情報要求を明らかにすることである。本研究は、利用者が未知のゲームを調べる際の情報行動に焦点を当てる。分析には、2017年4月1日から一年の期間に投稿されたYahoo!知恵袋の質問を使用し、KH Coderを用いて計量テキスト分析を行った。
著者識別は匿名の文書の著者を推定することを指す。現代の著者識別の主流は、文書から抽出した特徴量を機械学習の方法に適用して著者の推定を行なっている。しかし、日本語においては文書の長さと著者の識別率との関連性に関する研究は見当たらない。本発表では、いくつかの文体特徴量を用いた日本語の著者識別に必要な文書の長さに関する研究結果を報告する。
京都大学古地震研究会が開発・運営する『みんなで翻刻』(https://honkoku.org/)は、前近代の災害関係史料を対象としたインターネット上の市民参加型翻刻プロジェクトである。2017年1月のシステム公開以来、4,000人を超える人々がこのプロジェクトに参加者として登録し、これまでに470点の災害史料が翻刻されている。本発表では、『みんなで翻刻』を題材として、人文学におけるオンライン市民参加の可能性を展望する。
凸版印刷は、現代人には難読になってしまった近世以前の「くずし字」で記された古典籍・古文書を手軽に読み解くことができるようにするための取り組みとしてOCR技術を応用し「くずし字OCR」の研究・開発を進めている。今回は「くずし字OCR」技術の現時点での成果と今後の展望について報告する。