科学技術上の重要データの品質、信頼性、運営及び流通利用性の改善を目指す学術活動を推進している唯一の学際かつ国際学術機関である CODATA(Committee on Data for Science and Technology: 科学技術データ委員会)において日本を代表してその学術活動の一翼を担う日本CODATA国内委員会(日本学術会議情報学研究連絡委員会学術データ情報専門委員会が担当)は、故小谷正雄博士の令名を記念して設立した小谷正雄基金に対し、各位の強力なご賛同とご支援とを賜りますよう、ここにお願い申し上げます。
小谷正雄博士(東京大学及び東京理科大学名誉教授、東京理科大学元学長)は去る1993年6月8日享年87歳にて不帰の客となられましたが、そのご生前は理論物理学及び生物物理学の分野において著名な業績を挙げられたばかりでなく、IUPAP(国際純粋・応用物理学連合)、IUPAB(国際純粋・応用生物物理学連合)その他を通じて国際的な学術活動に対しても広く貢献されました。なかんづく、CODATAにおいては1966年の創設の設立準備段階からわが国を代表してこれに参画し、わが国の創設時加入国(6ヶ国)の一つとしての地位を確固のものとし、その役員に就任して該博な識見を駆使しして多大の寄与をされました。1972年役員を一旦退いてからも、自ら提案して設置を認めさせたTask Group on the Accessibility and Dissemination of Data(データの入手利用に関する作業部会)の委員長として他の作業部会に類例を見ない活発な委員会活動を行って、価値ある報告書(CODATA Bulletin No.16)をまとめ、内外関係者の注目を集めました。さらに、1978年小谷博士は推されてCODATAの会長(President)に就任して4年間の任期を全うし、中華人民共和国の加盟を始め、CODATAの世界的発展に尽力されました。この間これに対応する日本国内の諸組織についても絶えず先進的な指導を続けられたことは申すまでもありません。
このように小谷博士の貢献はその温厚な人格と深遠な学識とともに全世界及び全科学技術分野の規模において関係者に知られ、そのご逝去に際して日本の CODATA国内委員会は広く内外の関係科学者と協力して"小谷正雄基金"を設立し、同博士の令名を記念するとともに科学技術データ活動の一層の振興を図ろうと企画しました。なお本企画についてはDr. D. Abir(小谷正雄博士逝去時のCODATA会長)、Dr. G. Wood(CODATAのSecretary General)、Dr. J. Rodgers(カナダCODATA国内委員長)等のCODATA要人からも強い賛意が寄せられ、1994年、1995年CODATA理事会で承認されいています。
各位の御賛同が得られれば幸いです。
[振込先]
小谷正雄基金に対するご厚志は下記の銀行口座にお振り込みくださいますようお願い申し上げます。
三菱銀行 柏支店 普通 No.0943203 つぎた あきら 口座名 小谷正雄基金 次田 晧 (連絡先電話0471-23-9777 FAX 0471-22-1544) 日本CODATA国内委員会 委員長 次田 晧 前委員長 高柳 和夫