#title(活動)

* 活動内容 [#v1771afe]

** 概要 [#g015e7dd]

高度情報化社会への転換期において、データ・知識・情報の処理通信、利用上の重要な問題点は主として、~
入力以前のデータ・知識・情報自体の基本的特性に依ることが、明確に認識されるようになってきた。

そのために、各方面からの要請に応えて、これらの問題の究明や、理論の体系化、~
その応用に関する学問としての情報知識学の振興を目的とする学会を設立しようとするものである。

学会の業務を次に示す。

+ データ・知識・情報の本質に係わる理論、その応用および課題等に関する研究交流の場を提供する。
+ 国際協調・協力のための対応を行う。
+ 標準化等、個別研究の枠を越える、外部との関連の深い問題の調整、対応を行う。 

人類の発展と福祉のために、未解決の多くの科学的、技術的諸問題を解決するには、加速度的に蓄積~
されつつある膨大な情報と知識とを、効率的かつ創造的に活用する方式を確立することが必要である。~
これに対処するには、その基盤としてのデータ、情報、知識の本質の究明とその理論の体系化、さらには~
その応用、技術が重要な課題であるとして認識されてきた。すなわち、データおよび情報の表現、記述、分類、~
構造(モデル)、評価、標準化などの基礎理論、およびその管理、アクセス、加工、流通と高次処理の方式、~
情報における言語機能など、さらには学術各分野における情報集積活動と、その利用に関する問題の研究なども~
必要である。これらを対象とする学問が情報学であり、日本学術会議においても1984年に新たに定められた専門分野である。

しかしながら我が国にはこれまで欧米におけるようなこのための学会がなかったので、学術会議の~
学術情報研究連絡委員会が中心となって情報学シンポジウム(1984年以来毎年)、情報知識国際会議~
(1984年および1987年)を開催してきた。これらの活動は、関係研究者が、各領域毎の状況を踏まえる~
とともに、総合的に情報学の共通基礎的研究およびその応用研究の振興と、研究者相互の交流を図るうえで~
大きな意義があり、今後一層盛んな活動が期待されている次第である。

当面情報学の対象分野として具体的には次のようなものが考えられている。

 情報集積・情報解析 	記述法、記述性、同定、識別、管理可能性、信頼性、評価、安定性など
 情報構造 	構成要素間の関係、分類法、分類表現、モデル、自己組織化:学習、内包:総称、類似性など
 情報表現・媒体 	言語、線形、二次元、多次元、加工、変換など
 情報流通 	標準化、シソーラス、辞書、案内、問い合わせ、機密、権利など
 応用 	データベース構築、知識ベースシステム、管理、検索、統合化、高次利用など
- 情報集積・情報解析&br;記述法、記述性、同定、識別、管理可能性、信頼性、評価、安定性など
- 情報構造&br;構成要素間の関係、分類法、分類表現、モデル、自己組織化:学習、内包:総称、類似性など
- 情報表現・媒体&br;言語、線形、二次元、多次元、加工、変換など
- 情報流通&br;標準化、シソーラス、辞書、案内、問い合わせ、機密、権利など
- 応用&br;データベース構築、知識ベースシステム、管理、検索、統合化、高次利用など
- その他上記の理論、技術、応用に関連した課題

その他上記の理論、技術、応用に関連した課題

情報学は、学問体系としては新しく確立されつつある専門分野であるが、部分的にはこれまでも言語、~
心理、数学、情報処理工学内で、さらには情報活動をしている各学問分野内などで研究されており、~
応用としては人文、社会、自然の各科学の全てに係わるものである。すでに欧米においては情報学に~
対応する学会(American Society for Inlormation Science,Association of Informaticsなど)が中心となって~
活動を行っている。わが国においては直接対応する学会は現在でも設立されてなく、日本学術会議の情報学、~
技術文献情報、学術データ情報の3研究連絡委員会が中心となって研究の連絡・調整活動が行われているが、~
関係者の間では人材の交流と研究振興のための情報学会の設立の強い要望があり、本趣意書はそれに応えようと~
するものである。これにはさらに先行する経過があったので以下に略述する。

すべての科学の発生と同様に、情報学の誕生の前に、人類の知的活動によって学術が興るとともに、その記録と~
普及に対する情報活動が伴った。それはまず書籍、報告、逐次刊行物として学界に現れ、それらに記載される~
個々の情報を識別活用するために、学術用語の共通化、述語分類の共通化も始まった。

これらの初期的情報活動の普及のために国際団体も生まれ、現在も続いている。たとえば国際十進分類法~(UDC)を管理している国際情報ドクメンテーション連盟(FID)などがその例である。日本学術会議は、~
1950年12月15日に国際十進分類法研連を設置し、1954年8月25日これをドクメンテーション研連と~
改称してFID濃くない委員会の機能を持たせ、かつ関連する研究連絡を行わせることとした。また併せて、~
FIDのアジア・オセアニア地域協議会(FID/CAO)の設立メンバーとしてその運営諸活動にも協力してきた。

さらに標準化問題解決のため、ISO/TC46、37およびその国内委員会と連絡をとり、また図書館情報の~
ためには国際図書館団体連盟(IFLA)とその国内団体を通して連絡を行っている。世界的協力で代表的機構をもつ~
原子力情報に関しても同様の方法をとっている。

その後、UNESCOが指針”UNISIST”を発表して広く情報活動を初めてからは、学術情報研連も~
活動範囲を拡げた。一方その間科学データの重要性が認識され、1968年に日本学術会議が~
国際学術連合会議/科学技術データ委員会(ICSU/CODATA)に加入してからは学術情報研連は~
それに対する国内委員会の役も受け持ち、国際活動は内容的に二大別されるに至った。そこで~
1975年10月24日に学術情報研連に文献資料とデータ情報の2分科会を設置し、それぞれがFIDおよび~
CODATAの国内委員会の役を果たし、さらに1984年11月、日本学術会議および研究連絡委員会の~
改組にあたり、2分科会はそれぞれ既述のように学術文献情報とデータ情報との独立の研究連絡委員会となった。~
また情報学研連は総合的活動をするよう改組され、ICSTI、UNESCO/GIP、ICSUの~
Union、ISO、INFOTERMなどの国際組織との連絡を保ち、研究および情報の連絡を行ってきた。

なお、1980年にCODATA総会が日本で開催されたのを契機として設立された日本コデータ協会の~
活動の発展したものが本学会とも云えるので、同協会は新しい学会の一つの核となることが想定されている。

情報知識学会はこれらの国際活動を支援するとともに、国内的には主として各種学術文献、学術資料の収集、~
記述、表現、編集、管理、検索、加工、流通などの諸問題を情報学およびその応用の見地から検討し、~
とくに学術用語などを中心に情報の言語表現の標準化、変換などの問題も含めて、国の内外の研究者および~
関係機関との連絡を行って、学術文献、データ、情報、知識に関わる理論、応用の諸活動の振興を図るとともに~
増加しつつある各種情報機関・研究者の交流・連絡・調整に当たるためのものである。~
以上の経過と趣旨をご理解の上、本学会の設立に大方の御賛同と積極的な参加をお願い申し上げる次第です。

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