#title(情報知識学会 月例懇話会 2004 年 3 月) 
*情報知識学会 月例懇話会 2004 年 3 月 [#n5940eaa]

:日時|2004年3月18日(木曜日)午後6時半−9時
:場所|世界貿易センタークラブ 
:|JR浜松町駅傍・世界貿易センタービル 38階
:講師|井上孝氏(井上翻訳オフィス)
:話題|翻訳と情報伝達


特許や技術問題などが主な内容の産業翻訳、実務翻訳を中心に仕事をされている井上孝氏より、翻訳という仕事を通して日ごろ考えられていることについて、いろいろとお話を聞くことができた。 

 翻訳というと、いわゆる誤訳・悪訳がとかく話題となるが、それ以上に大事なこととして、翻訳をされたものを読む人とのコミュニケーションという視点に立って考えることを信条にしているということであった。味気のないマニュアルのようなものでも、これを読む人の気持ちになって文章を書くことが鍵になる。その意味では、Windowsの表示で、エラーメッセージに「不正な手続をしたので、・・・」と出るのは、利用者がべつだん不正をしたわけではなく、パソコンのソフトが誤作動したと思われることもあるのに、きわめて不愉快だという指摘に、みんなうなずいていた。[ヘルプ]もほとんど参考になったためしはない。これも利用者の気持ちになっていないため。 

 英語の固有名詞の翻訳も面倒である。グルジアを英語の国名Georgiaそのままにジョージアと訳した翻訳者がいて、笑われたことがあったという。人名や会社名なども、カタカナで表記するときは神経を使うという。 訳しにくい単語では、supplierなどがあげられる。カタカナでサプライヤーではなじめないし、納入業者というわけにもいかない。 

 井上氏も、当学会の専門用語研究部会に所属しておられ、当日は同部会の方の出席が多かったので、話は次第に用語の問題へと移り、論客の仲本秀四郎氏がお出で下さっていたので、話題は仏教用語の方へと発展していった。出席された佐藤弘行氏は、仏教関係の資料編纂にも携わっておられ、サンスクリット語を専攻されたというだけあって、たいへん有益な話を聞くことができた。話が尽きず、二次会へと続いた。 


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