第23回情報知識学フォーラム「情報知識資源の構築、応用、ビジネス展開」報告

2018年12月8日、近畿大学東大阪キャンパスの21号館で、第23回情報知識学 フォーラムが開催された。このフォーラムは、情報知識学会の30周年を記念す るフォーラムであり、テーマは「情報知識資源の構築、応用、ビジネス展開」 であった。これは、分類体系やシソーラスのような情報知識資源が盛んに開発 され、様々に応用され、これを利用したビジネスが活性化すれば、情報知識学 が繁栄するのではないかという問題意識に基づいている。

招待講演の前に、編集工学研究所の開発した分類(近大インデックス)を採用 しているビブリオシアターの見学会が行われた。これには23名が参加した。 フォーラムのはじめに実行委員長の田窪直規氏のあいさつがあり、その後に テーマに沿って2件の招待講演が行われた。講師は編集工学研究所の安藤昭子 氏と、元言語工学研究所社長の国分芳宏氏であった。

安藤氏の講演は「情報知識資源としての近大インデックスの活用と展開」と 題して行われた。ビブリオシアター(2017年4月にオープン)の特徴は、編集 工学研究所所長・イシス編集学校校長である松岡正剛氏が企画・設計・監修し、 独自の知の系をもとに、マンガや新書も配した書架スペースにある。この空間 を司る知の体系が、松岡氏と編集工学研究所が近畿大学とともに構築した 「近大インデックス」と呼ばれる情報知識資源である。「近大インデックス」 は松岡氏の知の分類体系である「目次録」を活用して構築されたものである。 ビブリオシアターは文理が出会う「知の箱舟」をイメージした1階の「NOAH33」 (約3万冊)と、マンガを入口としたダイナミックな知の遊びを体現する2階の 「DONDEN」(約4万冊)という、二つのエリアで構成されている。この空間の キーワードは「編集力」と「連創力」である。

国分氏は「シソーラスの構築、応用、ビジネス展開」について発表した。これ までのシソーラスは情報検索のキーワードを選択するための支援ツールとして 開発されてきた。そのため、文書整理や統計処理などのために必要な構文解析 や用語の標準化など、自然言語処理に利用することが難しかった。国分氏が開 発したシソーラスは、自然言語処理を目的とした一般語を主とするシソーラス である。このシソーラスでは、各用語の持つ関係語の数が膨大なため、観点 (ファセット)を導入して分類し、用語を探しやすくしている。このシソーラ スの使用法と、シソーラスを用いたビジネス展開について発表された。

2名の招待講演の後、フロアを交えたディスカッションの時間があり、フロア から質問が多数出され、25分のディスカッションの時間があっという間に過ぎ 去った。テーマに基づくセッションの後は、ポスター発表会がおこなわれ、5名 の発表者がそれぞれポスター概要を発表した後、約50分のポスターコアタイム となった。フォーラムの参加者が多かったため(57名が参加)、ポスター発表 会場はいっぱいになった。情報交換会には21名が参加し、ちゃんこ鍋と奄美料 理という面白い取り合わせを楽しみ、情報交換に花を咲かせた。

第23回情報知識学フォーラム実行委員長 田窪直規
同実行委員 川原亜希世
最終更新日: 2019-05-25 (土) 14:34:00

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