情報知識学会ニューズレター > No.34 (1995.10.1) > 電子メールに出来ること ---PHonEM の場合---

電子メールに出来ること ---PHonEM の場合---

都立大学人文学部 本間 猛

1 電子メールは電子の手紙(メール)か

最近では、多くの大学で研究者はもちろん、大学院の学生や学部の学生まで、比較的簡単な手続きで、電子メールを使えるようになってきている。電子メールは、通常の手紙と同様の使い方も出来るが、電子メールでなければ、実現しにくい仕掛けも多数存在する。メーリング・リスト(以下 ML)もその一つである。以下、ML の具体例として、我々が運営している PHonEM を紹介する。

2 メーリング・リスト(ML)

PHonEM (Phonology on E-Mail) は、言語学の一分野である音韻論に興味を持つ人々が電子メールを通じて、様々な情報を交換する事を目的にしているグループで、現在は、リムネット上に fml (東工大の深町氏による UNIX OS 上の ML 管理ソフト)を用いた ML を中心に活動している。

PHonEM は、まず、NIFTY-Serve を利用している二人の電子メールのやり取りから始まった。当時は、まだ、NIFTY-Serve から Internet のアドレスにメールの送付が不可能であった。二人の学問上の興味は似通っていたので、ある博士論文を一緒に読んでみようということになり、適切な分量を読んでは、コメントを交換していた。しばらくすると、この二人の知り合いも次第に巻き込まれるようになる。NIFTY-Serve の電子メールサービスには、アドレスブックという仕組みがあり、複数の相手に同報メールを比較的簡単に送付することができる。確かに、アドレスブックの内容をやり取りするための仕組みがNIFTY-Serve には用意されているのだが、アドレスブックは各ユーザーが個々に設定する必要があるので、同報グループが数名の規模を越えると、管理が難しくなる。さらに、Internet とメールがやり取り出来るようになり、PHonEM にも、Internet からの参加者が増えるにつれて、NIFTY-Serve の仕組みに依存したままでは、グループの維持が困難になるに至り、PHonEM を ML として運営が始まったのが、今年(1995年)の4月1日である。

PHonEM の ML 化に際しては、当初、IIJ のメーリングリストサーバサービスの利用を検討していた。提供される機能、運営の自由度、費用などを考慮し、最終的には、リムネットのサービスを利用する事となった。リムネットのサービスそのものは、ごく基本的な ML の機能を提供するものだが、ユーザの側にその運営が任されている分、自由度が高い。さらに、fml は、一度だけスーパーユーザーの手を煩わすだけで、基本的には、一般ユーサーの権限で運営出来き、かつ、十分小型の ML 管理ソフトである。小型とはいえ、メールヘッダの加工(連番の付与など)、メールのアーカイブ、メンバーリストや過去のメールの取り寄せなど、ML 管理ソフトが必要とするような機能は十分装備されている。

UNIX マシンの管理を任せれており、root 権限を持っている人なら、fml を用いて、小規模ながら、実用的な ML を簡単に運用出来るはずである。root 権限がない人でも、自分のサイトの管理者に協力を願うなり、リムネットに加入するなりすれば、ML を運用するのも、難しい事ではない。

3 PHonEM の現在

PHonEM は、現在、十数名の小規模な ML として活動している。雑多な話題に交じって、とある音韻論の教科書の練習問題の解答案の作成・検討などのプロジェクトも進んでいる。日本の音韻論研究の発展に多少なりとも貢献出来ればと思う。

※ PHonEMに興味を持たれた方は、phonem-list-request@st.rim.or.jpもしくは、honmat@st.rim.or.jpまで、その旨を伝えていただきたい。 http://www.st.rim.or.jp/~honmat/phonem.htmlも参照の事。

※ fml は、平野聡氏の hml をベースに、深町氏が拡張した ML 管理ソフトである。詳しくは、http://www.phys.titech.ac.jp/uja/fml/を参照の事。

最終更新日: 2018-04-27 (金) 11:42:23

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