「複製」は著作権制度における基本的な専門用語である。ただし、その法的用語としての使用法は、情報処理分野における技術用語としての使用法とは異なる。ここに見られる同じ用語に対する異なる使用法は、デジタル環境における著作権法の解釈に、混乱と無秩序をもたらしている。
印刷産業におけるデジタル化の現状と課題、特にここ数年間における印刷前工程 (プレプレス工程)でのデジタル化の進展はめざましいものがある。当然デジタル化された情報は単に紙メディアのみならずCD-Rやインターネットにも活用され始めてきた。このようなマルチメディア化の進展と将来の方向性、情報流通の動きや情報と知識に関する考え方、印刷産業から情報コミュニケーション産業への課題についてのべる。
情報化の波は90年代に入り情報ス―パ−ハイウェイ、インターネットの展開と計算機の加速度的高性能化、低価格化で加速されてきている。科学技術、生産、流通などから教育、生活などのあらゆる面に情報化が浸透することになり、多種多量の情報が文字通りグローバルに流通することになってきた。このことはこれまでの数値計算、検索、演繹推論などの符号処理中心の情報処理から情報の内容に関る高度な機能、例えば学習や思考機能を明かにする強い要求をもたらしている。これらは現在使われているプログラム主導の計算機では実現できない。これに対して、情報の本質すなわち情報の特性、意味関係、構造などを解析し、それらの原理やモデルを体系化することが必要となった。これが情報学基礎論であり情報知識学とも呼べる。具体的には情報解析、情報構造モデル、意味解析機構などの基礎理論と類推、帰納推論、仮説生成など高度思考機構や超脳型コンピュータへの応用を例として情報学基礎論の概要を紹介する。
立正大学経営学部の3年生、4年生を対象とする授業で、Eメールを積極的に利用する授業法を試みた。Eメールにより全受講生に教材を送り、それについて意見や疑問をEメールを使って返事をさせ、さらに教師がそれらにEメールで返答するという方法である。その結果、双方向のパーソナル・コミュニケーションは、教師と学生間の理解を予想以上に深めたほか、とかく固定概念で考えがちな学生達の意識構造や学習意欲について新たな知見を得ることができた。とくに、学生達の情報受容機構 (学習適応性) に顕著な変化が生じており、体系化された知識よりも断片化された情報を彼らに与え、自己内部に自分なりの知識を形成させるという指導法は、各自創造的に考えるという能力が求められるなか効果が期待できそうである。
本論文は標準情報検索プロトコルZ39.50に基づく日本語書誌データ検索システムについて報告する。Z39.50は検索の際のクライアントとサーバ間で通信されるデータ構造やデータ処理方式について取り決めたANSI及びISOの規格である。Z39.50に基づいて検索システムを構築することにより、検索システム間の相互接続が可能になり、互いの情報資源を共有できる。本システムはクライアントとサーバから構成され、クライアントは検索語の日本語入力および表示が可能であり、Z39.50に準拠した全世界のサーバに接続できる。サーバはJapan/MARCをデータとして持ち、フィールド検索、論理演算、履歴検索が可能である。