人文学研究でデジタル情報技術利用が初めて論じられたのは1950年代末、60年あまり以前のことです。パソコンやネットの普及によって、個人や研究機関内での研究に使われるようになってからでも、40年になろうかとしています。研究に際してデジタル化された資料のテキストや画像を利用することは日常的な仕事となり、ネットワークの拡大と検索技術の発展によって、研究者が把握できる資料の質と量は豊かになりました。一方、人文学研究の基礎となるテキストをデジタル化するに当たって、その意味と価値を適切に共有するための手法の開発についても、多くの実践が積み重ねられてきました。
今回の情報知識学フォーラムは、人文学テキストのデジタル化に関する国際的枠組みであるText Encoding Initiative(TEI)の導入に取り組んできた方々を中心とする講師に、最新の研究動向とさまざまな分野での実践例を紹介いただき、参加者との議論を通じて、これからの人文学研究の発展と変革に資する機会といたします。あわせて公募によるポスターセッションを設け、関連する研究に取り組む方の発表を求めます。会員・非会員を問わず、多くの皆様のご参加をお待ちしています。
受付 | |
趣旨説明 | |
開会挨拶 | |
講演1:「会計史料の構造化:ツリーかグラフか」 小風尚樹(千葉大学人文社会科学系教育研究機構) | |
講演2:「資料の構造を探り、他者に伝える: 日本古辞書のばあい」 岡田一祐(北海学園大学人文学部) | |
講演3:「日本語史研究資料の電子化─事例と課題」 間淵洋子(和洋女子大学人文学部) | |
休憩 | |
ポスターセッション | |
1. 漢詩作品の自動生成とその評価システムの試み 叢艶 (筑波大学大学院)[会場] | |
2. DAKit:低コストなデータ共有のための静的デジタルアーカイブジェネレータの提案 阿達藍留(東京大学大学院)[会場] | |
3. 中国出土資料古漢字情報TEI化への検討 片倉峻平(東京大学大学院)[会場] | |
4. 国際的な情報技術標準化と日本文化資料 永崎研宣(人文情報学研究所)[会場] | |
5. 晴眼者と共に視覚障害者がテレビゲームを楽しむための必要な情報についての考察 小川雄太(兵庫県立視覚特別支援学校),宮本行庸(神戸学院大学)[オンライン] | |
6. 「イスラーム×デジタル」教材の開発と課題 石田友梨(岡山大学)[オンライン] | |
7. 機関リポジトリに登録された学習・教育用コンテンツに対するアクセス数に基づく考察 長岡千香子(国立情報学研究所)[オンライン] | |
講演4:「TEIを用いたテキスト構造化がもたらしたもの:『渋沢栄一伝記資料』から「渋沢栄一ダイアリー」へ」 金 甫榮(渋沢栄一記念財団) | |
講演5:「TEIデータに対する可視化・分析ツールの開発」 中村覚(東京大学史料編纂所) | |
ディスカッション |
ポスター発表は次の形態で行う予定です
資料は情報知識学会誌です。資料代は当日徴収いたします。 なお、オンライン参加者には予稿の電子ファイルを共有することとし、資料代は徴収しません。
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会場参加の方は、発熱・風邪等の症状がある場合、当日の体温が37.5度以上の場合、そのほか体調不良の兆候がある場合には来場参加をお控えください。 なお、現地会場では、検温・手指等消毒・マスク着用など、館内や使用エリアのルールに合わせ、感染予防対策を行っております。来場時にはご協力ください。